画像ファイルの保存のすすめ

2020年のパンデミック・コロナ禍での外出自粛や自宅勤務で、写真との付き合い方や撮影が変わった人もいるのではないでしょうか。自宅でも楽しめるプロダクトフォトやマクロ、照明の使い方を学ぶ人もいたかと思います。僕は、撮影する機会が激減し、自宅で写真を撮ることは殆どなかったものの、写真の編集と保存に時間を費やしました。フォトグラファー・写真好きにとって、写真のどのように保存するのかは、画像ファイルのサイズが大きくなるに伴って、少しずつ難しくなってきている問題ではないでしょうか。皆さんは、どのように写真を保存していますか?気に入っている写真を失わないためにも、僕は複数の方法・複数箇所での保存をしています。

はじめに

まずはじめに、画像ファイルのデータを失ったことがある人はどれほどいるでしょうか。あまりいないとは思いますが、記録媒体の殆どが消耗品であり寿命があります。普段は考えることもないと思いますが、いつかは使えなくなる・データを失うことが確実です。そのため、画像データの保存は本当に大切なプロセスの一つです。

スマホをお持ちの方は一体何枚の写真をスマホ情に保存していますか?スマホ以外のデバイスで写真を撮っている方は、何枚の写真を保存しているでしょうか?また、保存ファイルのサイズはどれほどでしょうか。僕はスマホには62枚のみ、全体では36,000枚以上、サイズでは528GBほど保存しています。僕は写真を撮る機材と編集するデバイスの種類と数が増え、一枚一枚の画像ファイルのサイズが大きくなるにつれファイルの保存に頭を悩ませるようになりました。勿論、撮った写真の全てが良い出来ではなく、全てを保存する必要はないものの、大半の物を僕は保存しています。また、僕は今までで大きなトラブルはなかったものの、写真ファイルを失った際のショックはかなり大きいのが事実です。そのため写真の保存と扱いにおいて気をつけていることは、複数の方法と複数の場所での保存と出先での扱いです。慣れるまでは面倒なプロセスですが、慣れてしまえば普通のワークフローの一貫となります。

複数の方法と複数の場所での保存が重要

皆さんは写真ファイルを失ったことはありますか?写真ではなくても仕事上のファイルをセーブしなかったことや無くしたこと、ハードドライブやPCそのものが故障しデータを失ってしまったことがある方はいると思います。僕は少数ですが画像ファイルを失った経験があります。大切な写真を失ってしまうショックは言葉にできないほどのものです。そのため、ファイルの保存の基本は複数の方法で複数の場所に保存することです。僕は以下の場所に保存しています。

  1. PCのSSD
  2. 外付けHDD
  3. クラウドドライブ
  4. DVD R

PCのSSD

僕は自宅ではPCを使っていますが、OSとは別のSSDに画像ファイルを保存しています。これは、便利というのもありますがOSのトラブルが起きた場合を考慮していることと、SSDの処理速度と仕組みにあります。

OSに何らかの問題が起きた場合に、OSの再構築が必要になることがあります。その場合は、プロにお願いしてデータを保護してもらうこともできますが、素人ではどうすることができない場合もあります。また、データの保存先がOSと別にしている場合は、PCを新しい物にアップグレードした場合においても、ドライブごと移動することが可能です。そのため、僕はデータはOSとは別のドライブに保存しています。

僕がHDDではなくSSDを選択する理由は、故障が起きにくい仕組みであることと処理速度にあります。回転する磁性体ディスクに記録するHDD(ハードディスクドライブ)に比べ、メモリチップにデータを読み書きするSSD(ソリッドステートドライブ)は物理的に動く構造がないため、振動や衝撃による故障が起きにくいのが事実です。また、この構造によりデータへのアクセス・処理速度がHDDに比べて早いのも事実です。

SSDは少しずつ価格は落ちてきているものの、HDDに比べるとまだ割高です。そのため、僕は編集作業においてのスピードを重視して、SSDには編集する画像と特に気に入っている写真のみを保存しています。SSDの選び方はこちら

外付けHDD

上記のようにHDDは、その構造上からSSDに比べるとデータの保存には望ましくないとも取れますが、僕は自宅でのメインのストーレッジには外付けのHDDを使っています。理由は価格が比較的に安いことです。僕はUSB3で接続する4TBのRAIDで画像ファイルだけでなく、その他のファイルも保存しています。ネットワーク上につなげるNASも考えましたが、以前の苦い経験とスピードからUSB3のものを使っています。機種を選ぶ際には、HDDの交換が容易にできることと、最近ではUSB-Cに対応しているものも出ているので、使用されているPCのスペックで選ぶのが良いかと思います。

オンラインストーレッジ

2021年現在、殆どのスマホ・PC利用者が何らかのオンラインストーレッジのサービスを提供しています。iPhoneの利用者はiCloud, Android・Chromebookの利用者はGoogle Drive、マイクロソフトからものOne Driveが提供されています。各社無料で一定量のストーレッジが提供され、それ以上のストーレッジは少額ながら有料のサービスとなっています。僕は全てのオンラインストーレッジを何らかの理由で利用していますが、写真の保存に関しては有料のAmazonフォトを利用しています。その理由はAmazonプライムを既に利用していること(別途費用なし)、写真は制限なく保存ができること、RAWの保存と画像の閲覧ができることがあります。

僕は基本的にサブスクサービスを好まず、できるだけ無駄を省く・統一できるものは統一するアプローチで生活しています。Amazonプライムは月額500円、年間一括払いで4900円(日本は米国に比べると遥かに安い!)でお急ぎ便が無料になる以外にも各種の特典があります。多くある特典の中でも、僕が一番重宝しているものは、写真の保存です。Amazonフォトは写真が無制限で保存できることから、僕はPCに保存している写真は全て毎週自動でアップロードしています。iPhoneで撮影した写真も全て自動で同期化しています。それもあってiPhoneには殆ど写真を保存していません。また、僕は基本的にRAWで撮影・編集していますが、そのままのフォーマットで保存・閲覧・ダウンロードが可能です(キャノンに関しては問題なく閲覧できます。もう殆ど誰も使っていないと思いますが、サムスンのものは保存できますが、閲覧できませんでした)。Amazonフォトがあることで、もしも自宅のPCやHDDに故障があったとしてもRAWのファイルをダウンロードし、ローカルでの保存ドライブを再構築することが可能です。Amazonフォトの詳細はこちら

DVD-R

ノート型パソコンだけでなくデスクトップ型のPCまで光学ドライブを搭載していない昨今ですが、僕は外付けのDVD-RWドライブを所持しています。主な目的は、一昔前にCD-RやDVD-Rに保存したファイルの読み込みのためです。ただ、本当に気に入っている写真は定期的にDVD-Rに書き込んで保存しています。許容量が4.7GBと小さいため、その年のベストフォトを保存するといった形です。また、書き込んだDVD−Rは自宅ではなく仕事場に保存しています。ここまでする必要もないとも思いますが、万が一、自宅に災害があった場合でも、気に入った写真はAmazonフォト以外の場所にも保存されている状態にしてあります。

もしもこのような形で、別の場所に画像ファイルの保存を考える場合には、Blu-rayでの保存をすすめます。DVDに比べるとドライブ自体も記録媒体も高価ではありますが、Blu-rayが光学ドライブ・記録媒体としては最新であり、保存できるデータ容量もBD-XLなら128GBと大きくなっています。僕がAmazonフォトに保存している画像全てがたった5枚のディスクで保存できてしまうのです。

出先でのファイルの扱いと保存

僕の撮影活動は、基本的に家族のスポーツイベントの撮影と出張・旅行時の撮影です。スポーツイベントは日帰りが殆どですが、出張は長い時は10日となることもあります。出張中に写真の編集をすることもあり、出先での画像の扱いと保存には気をつけています。基本的なアプローチでは自宅と同じで、複数の方法で複数の場所に保存しています。これは、やはり撮影用のメモリカードも消耗品であり寿命があることと、旅先・出張時の写真を失う精神的ダメージ、特に自費で行った場合のダメージが大きいことがあります。気をつけていることは

  1. 二枚のカードに同時記録
  2. 複数のカードで撮影
  3. PCとAmazonフォトに保存

二枚のカードに同時記録

僕のデジタル一眼レフはCanon 5D Mark IIIで3世代ほど前のものですが、コンパクトフラッシュとSDカードの二枚への同時記録が可能です。今まででカードに異常が起きて画像を失ったことは一度しかありませんが、その時のショックを考えたり自費での旅行に行った際のコストを考えると、二枚への同時記録をしていて損はないと思います。一枚のカードに何らかのトラブルがあっても、もう一枚がしっかりと記録していてくれるのです。ちなみに僕が愛用しているカードはSanDisk社のもので、16GBか32GB、国内正規品です。割安で海外流通品などもありますが、保証が受けられないことを考慮し、国内正規品を使用しています。メモリーカードは4半期ごとやセールイベントで割引されることが多いので、その際に買い溜めるようにしています。

複数のカードでの撮影

またメモリの容量は32GBと少し抑えめにしています。その理由は、撮影した枚数にもよりますが、場所やセッションによってメモリーカードを入れ替えて撮影するため、そこまで大容量のメモリーカードを必要としないことです。二枚のメモリーカードに同時に記録していることから、画像を失うリスクは少なくなっているのが事実ですが、もしカメラを失ったらと考えると旅行中の全ての画像をカメラ内のメモリーカードにのみ保存しておくことに躊躇します。もしカメラが盗まれたとしても、カメラ内の画像は一部のもので旅行中に撮影した画像の一部は違うメモリーカードに保存されていることになります。こうすることで、全てを失うリスクを回避できます。そして持ち運びには、耐震・防水のケースを利用しています。

PCとAmazonフォトに保存

そして撮影後にホテルに戻った際には、PCへのアップロードとAmazonフォトへの保存をその日のうちにしています。この流れは基本的に自宅のワークフローと同じです。違うところはPCへのアップロードは、PC内臓のSSDではなく外付けのSSDにしていることです。また、Amazonフォトへのアップロードは自動ではなくマニュアルで行っています。カードリーダーはSanDiskのイメージメイトプロ。外付けSSDも同じくSanDiskのExtreme Pro Portableです。この外付けSSDは耐震・耐衝撃・防塵・防滴仕様となっているため、出張・旅行など自宅外に持ち出す際に役立つドライブです。またUSB-Cに対応しているSSDなので、外出先での編集作業でも速度を気にすることなく快適に作業が行なえます。

多彩なカードフォーマットに対応し、高画質な写真データを高速転送
アルミニウムボディとIP55の防滴・防塵性能でデータを保護 耐衝撃 (最大1500G) 、耐振動 (5gRMS, 10-2000HZ) 、耐温度(-20°C~70°C)

まとめ

そこまでする必要はないだろうと思われてしまうかもしれませんが、複数の方法で複数箇所に画像ファイルを保存することが、大切な思い出や作品を守るために必要な作業です。記録媒体が気づかないうちに寿命を迎えて動かなくなることや、旅先で撮影した画像が消えてなくなることがないように、出来る範囲で複数箇所に複数の方法で保存して、安心してフォトライフを楽しめる環境づくりをしましょう。失ってからのデータの復元は大変な作業ですよ。

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